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社長・部長エッセイ
【部長シリーズ第19回】中小零細企業開発部長:開発協力プロジェクトにおける新しい学び
2014年5月から部長職を務め、10年近くが経過しました。この間、皆様から様々なことを学ばせて頂き、厚く御礼申し上げます。最近、特に学ばせて頂いていることを、この機会に紹介します。
山口さんと植松さんは、30歳代で、大きなプロジェクト案件の業務主任者として応札し、その後、見事受注しました。プロジェクト運営方法等、ご両名からは学ぶことが多いです。植松さんが主任者を務めるパラグアイ国 農牧バリューチェーン強化プロジェクトでは、マテ茶、豚肉、トマトという3つの対象品目を扱っています。日本人団員6名を率いつつ、品目ごとに設置された現地3チーム作業を統括しています。JCCでは、農牧大臣も出席する等、各方面から高い関心を持たれています。先日も植松さんはパラグアイのテレビ放送に出演し、全国にプレゼンスを示しました。植松さんの落ち着いた物腰は勉強になります。
山口さんは、ホンジュラス国 地域に根差した金融包摂推進を通じた貧困削減プロジェクトの主任者を務めています。外国籍団員2名、日本人団員4名を率いつつ、調査時には10名を超える現地傭人に対しても、一人で指示を出して業務管理をするという力業を見せています。ホンジュラスでは主任者として業務する中、グアテマラ金融包摂案件でも副主任者として、鋭い分析を行っています。例えば、信用組合以外の協同組合が閉鎖されることの多い理由、信用組合の融資リスク分散の限界性等々、論理的な思考で、教えてくれます。山口さんの業務品質に対する挑戦意欲には、良い刺激を受けています。
以上、さらっと書いてしまいましたが、大臣と話をして物事を決める、全国テレビ放送に堂々と出演する、多数の団員や現地傭人を率いる、管理業務を行いつつも専門家としての業務も行う、等々は、簡単なことではないと思います。
パラグアイ案件とホンジュラス案件は、規模感のあるプロジェクト案件です。このため、会社売上の安定にとっても重要になっていると思います。また、規模感のあるプロジェクト案件であるため、幅広い活動と成果が想定されています。パラグアイ案件は、3つの異なる産品バリューチェーンに併行的に取り組んでいます。3プロジェクトを扱っているような感覚です。ホンジュラス案件では、パイロット信用組合5件との活動に加えて、信用組合連合会と共に小規模金融及び金融教育の普及に取り組みます。このため、数十万人に裨益することが見込まれます。
両案件とも規模感のあるプロジェクトだからこそ、㋐視野の広さ(個々のテーマに固執し過ぎずに全体最適を目指すこと)、㋑効率的なロジスティックス(膨大な作業の省力化)が重要なものとなっています。新しく業務主任者に就いた方々からは、プロジェクト運営や業務品質管理について、これまでの自分の経験では、気付かなかったことを教えてくれます。 具体的には、①外国籍団員の斬新な活用、②高い調査品質を目指すために敢えて再委託を使わない調査運営方法、③「隠し玉」的な成果の用意、④プロジェクト実施上の課題に関わる適時の情報共有、⑤分野別業務進捗管理と全体成果との統合、⑥各団員の証憑書類管理方法の設定、⑦証憑書式の標準化、等々、です。こうした学びの機会を与えて下さる皆様に感謝しつつ、巻頭言とさせて頂きます。