社長・部長エッセイ

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“コミュニケーション”ということ

2006年12月
2006年も終わりに近づき「ああ今年も早かったなあー」と実感するのは例年変わりませんね。KMCにとって2006年はどんな年だったか、総括するのは年度末の来年4月まで待つことにしますが、振り返ってみてこの1年間、私なりに考えてきた最も大きなテーマの一つは「社員の皆さんといかにコミュニケーションをとっていくか」だったように思います。 組織に限らず人間関係そのものがうまくいくかいかないか、その80%はコミュニケーションがきちんとなされているかどうかによる、というのが私の持論でもあります。私が関わっているコンサルティング業務でも、最近は行政組織や農民組織といった組織の改善を目的とする仕事が増えてきましたが、その中でもやはり私の拠り所は同じです。"関係者が直接会って話をしているか"、"関係者間で定期的な意見交換の機会がつくられているか"、"連絡や報告が上下でしっかりとなされているか"、"交換されるのは生の情報や率直な意見か"、"相手のことを理解しようとして会話されているか"、"相手に分かるような言葉で伝えられているか"、・・・といった観点から調べてみると、その組織の問題がどこに起因しているのか見えてくることがよくあります。 これからのKMCにとっても、コミュニケーションは益々大切なテーマになってくるでしょう。少しずつ社員の数が増えてきて、それだけコミュニケーションも難しくなってきている、それだけに工夫が必要、というのが今の私の率直な思いです。セカンド・ギアのKMCはまだ成長過程の前半にあって変化も大きく、そうした中で上手なコミュニケーションのとり方とは何か、試行錯誤しながらも私にはまだ良く分かっていません。心理学的には、何か変化が起きようとする時に、人々の間にある種の抵抗感が生まれる、というのが自然のようです。したがって、おそらく組織として何もしようとしない方が、私の気は楽なのでしょうね。でも楽チンな方を選ぶわけにはいかないなあ、とも思います。成長も変化もない組織は間もなく崩壊する、と考えているからです。したがってやはりKMCの変化はこれからも続く、ということを前提に考えなければなりません。 コミュニケーションの難しさは、「主体は受け手にある」ことからきているそうです。我々は、耳に入った情報すべてを聞いているわけではなく、個々に選別し、聞きたい情報だけを聞いている、つまり自分に興味や関心がある情報だけを受け取っている、ということのようです。我々の間でもよく"この間(・・・)って言いましたよね!"、"そんなこと聞いていないよ!"といったやり取りをすることがありますが、こうして自分が「言った」つもりのことがそのまま相手には「伝わっていない」ことに、コミュニケーションの最大の問題があるということなのだと思います。"経営者が自分の考えを浸透させるためには同じことを100回繰り返せ"とも言われますが、これもああきっとこういうことなんだなあ、と改めて思ったりもします。 社内でコミュニケーションをとる上で重要なことは、会社、つまり私自身の価値観、私がKMCをやっている動機や目標(=会社軸)と、皆さん一人ひとりの持っている価値観、KMCで働いている動機や目標(=個人軸)は基本的に異なっている、かつ皆さんそれぞれの個人軸もまた他とは異なっている、ということを大前提に考えなくてはならない、ということではないでしょうか。こうしたことを理解した上で克服する努力をし、会社も社員も満足できるようでなければKMCの大きな成長もあり得ないでしょうから、そのためにはまず、皆さんそれぞれとじっくり話をする時間を持ち、会社軸と個人軸のすり合わせをしていく以外にないだろうだろうと考えています。これまでもそのためにけっこう時間をとってきたつもりですが、まだまだ十分ではないと感じます。もっともっと時間と根気の要ることなのでしょう。 そうしたことから、2007年もコミュニケーションが益々大きなテーマになってくると考えています。「上手なコミュニケーションの仕組みややり方」を大きな課題として工夫していきたいと考えています。おそらく全社的な取り組みとして皆さんの協力を仰ぐことになるかと思います。必要ならその道のプロに指導してもらうことにするかもしれません。そうした努力を積み重ねながら、来年はKMCにとって、また皆さんにとってますます良い年になりますように!
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