2012年8月から、ヨルダンでのプロジェクトに携わってきました。サルトの魅力である、地域の文化資源や歴史的な景観を守りながら、観光開発を通じて持続可能な地域の発展や、観光開発を通じた地域住民の生計向上を目標として、開発協力を行っています。 ヨルダンには多くの観光資源がありますが、ぺトラや死海など、考古遺跡やリゾートの観光地が有名です。サルトには多くの人が生活し商店は人で賑わっており、アラブの人達の雰囲気を感じることができます。私たちは、他の地域と異なるサルトの特徴から、「良く保存された古都における、伝統的なアラブ生活体験：サルティライフ」を中心価値として、観光開発の活動を進めています。 プロジェクトの2年目、3年目には、サルトでフェスティバル開催を支援しました。地域のお宅でのお宝披露や、伝統衣装の着付け体験、コーヒーセレモニー、パン焼き体験、手工芸品スークなどの催しを行いました。このフェスティバルは、サルトの人達に、観光開発によってサルトが変わってきている、と期待を持ち始めて貰うきっかけとなりました。本当に実施出来るかと直前まで不安でしたがなんとか間に合い、当日は地元の人を含む多くの人が来場してくれました。

プロジェクトでは、「ハーモニートレイルツアー」など3つのトレイルツアーと、地域のお宅を訪問して家庭の昼食をご馳走になったり、世界最長といわれる伝統衣装の着付け体験を行うツアーをつくりました。日本の旅行社数社での取り扱いが決まり、どなたでも参加することが出来ます。プロジェクトは4年目になり、共に仕事をしてきたNGOの担当者が急成長していることに、大きな喜びを感じています。3年目までは、事あるごとにフォローアップしなければ、なかなか活動を進めることができませんでした。今では主体的に活動を進めたり、ツアーの開催状況などを報告してくれるまでになりました。プロジェクトの成果や持続可能性を考える上で、担当者の成長は欠かせないものですし、非常に嬉しいことです。