南アジアとであったのは学生時代。「人生観が変わるから」といわれて、友人と2人で旅立ちました。マドラスで友人と別れ、私は南へ。コモリン岬でひどい腹痛と下痢で痛めつけられ、それでも人生観は変わりませんでした。照りつける日差し、原色のサリーをまとった女性達、うずくまる物乞い、ひっきりなしに現れる物売り、インドの多様性は確かに印象的でしたが、私ははっきりと彼らとの間に線を引いていました。
それから10年後、留学中の英国から、修士論文を書くために滞在したコルカタで南アジアに再会しました。NGOが運営する貧困層向けの小学校。そこには、よい生活を夢見て真摯な努力を続けている人々がいました。海外への憧れ、素敵な男性との出会いを望む女の子、いい生活やいい職場を得るためのあくなき努力。｢同じだ｣私と彼らを隔てていた線は消えていました。
同じ人間として、共通する感情を確かに持っているのに、それでも存在する歴然とした違いと格差。彼らの多様性や伝統、価値観を尊重しつつも、少しでも多くの人々が幸せな生活を送れるような手助けができたらと思っています。

専門分野

南アジア、経済開発、官民連携、BOPビジネス

学歴

ヨーク大学教育学修士
ロンドン大学開発学修士
奈良女子大学理学部

主な職歴

（株）日立製作所、在パキスタン日本国大使館、国際協力銀行、大阪大学非常勤講師、北海道大学客員教授