大学を休学して憑かれたようにアジア・アフリカを一人旅。バングラディシュのダッカからクルナへ広大なブラマプトラ川をゆっくりと進んでいく外輪船。オイルの匂う船尾のエンジンの脇で座りこみ、大皿いっぱいの白い飯に塩をかけて喰う片足の男の細い足がルンギーの裾から覗いています。満面の笑みで飯をいつくしむように口に運ぶ男の顔には、暖かな日差しが優しく降り注いでいました。

私は彼らに「憧れ」、ともに仕事がしたくて開発の道に進みました。

開発専門家が地域のイニシアティブに参加するために必要になるのが、地域の活力を引き出すための企画力です。多様なステークホルダーが、複雑な課題を多様な視点から眺める。できることから少しずつ行動を喚起し、みんなが共有できる「納得解」を創っていく。地域に眠る資源を活用し、人と人がつながってお金が回る新しい仕組み、ビジネス、経験（コト）、場を創出していくことが個人的な目標です。

ファシリテーション力、経営力、デザイン(企画)力を高いレベルで融合したサービスの提供が、途上国においてもますます求められるようになるでしょう。「課題先進国」でもある日本の経験とアクションの「引き出し」を伝えるために、これからも精力的に仕事に取り組んでいく所存です。

専門分野

参加型森林管理、村落企業振興、農林産品バリューチェーン

学歴

アイダホ大学・CATIE（コスタリカ）
自然資源・環境社会経済学博士
レディング大学林業普及学修士
京都大学農学部卒

主な職歴

JOCV, FAO, JICA長期専門家