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プロジェクト受益者の生活向上を目指して

2016年04月28日
中南米
ホンジュラスホンジュラス国金融包摂を通じたCCT受給世帯の生活改善・生計向上プロジェクト
中米ホンジュラスで実施中の本プロジェクトでは、金融包摂を通じ、貧困層の経済・市場活動の活発化を促し、持続的な生計向上を目指しています。具体的には、対象地域の貧困層に対して、家計管理研修、金融教育、零細ビジネス開業支援、市場活動支援などを提供します。併せて、金融機関に対し、貧困層向け金融商品開発などの技術支援を行います。 本プロジェクトにおいて、私たちは、日本の開発協力の中では比較的新しい、以下のテーマに取り組んでいます。こういった新しい課題へのチャレンジに、職業人としての醍醐味を感じています。 1.金融包摂: 金融包摂とは、貯金や保険、融資などを含む各種金融商品やサービスに対する、貧困層によるアクセスを改善することです。ホンジュラスでは、金融包摂の状況が、他の中南米諸国と比較し低い水準にとどまっており、適切な生計向上活動を実施する上での制限要因となっています。そこで、私たちは、以下のような取り組みを通じて、ホンジュラスにおける金融包摂を促進します。 ①各種金融機関と協力し、貧困層向け金融商品やサービスの開発・提供を促進します。 ②貧困層に対して、家計管理教育および金融教育を実施します。 ③金融包摂促進に向けた環境を整備するため、政府機関へ働きかけます。 2.インパクト評価: 本プロジェクトにおけるインパクト評価では、定量調査と定性調査を組み合わせてプロジェクトによる影響を測定します。研修を既に受講した人々と受講していない人々の両方を調査対象とし、プロジェクトによる影響を比較します。その後、必要に応じて研修内容を修正するという流れを踏みます。なお、プロジェクト対象者に対して初期調査を行い、対象者を取り巻く生活環境、生計事情、経済活動などにおける因果関係を分析しました。その結果、家計簿作成、市場へのアクセスなどが、貧困層の生計ビジョンや金融サービス利用状況に影響していることが判明しました。こういったデータ分析に基づいて支援内容の設計および軌道修正を行うことが、本プロジェクトの大きな特徴です。

3.市場アクセスと金融アクセスの整合的促進: 上述の初期調査において、家計管理能力と市場アクセス状況(生計向上関連)、金融アクセス状況(金融包摂関連)などが密接に関連していることが判明しました。研修の効果を最大化するため、私たちは、これらのテーマに対して整合的に取り組んでいきます。例えば、上述の金融包摂に関する取り組みと、マーケティングや市場調査を含む生計向上関連研修および家計管理教育を関連させながら、適切なタイミングで実施します。 これらの新しい課題への取り組みを通じて、プロジェクト受益者の生計向上を、私たちは目指しています。

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