社長・部長エッセイ

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【部長シリーズ第26回】経営イノベーション部長:KMCらしいイノベーションに向けて

2026年01月

イノベーションって何?
2025年より中小零細企業開発部は経営イノベーション部となりました。イノベーションとは日本語では技術革新と訳されていますが、語源はラテン語のIn(内に向かって)とNovus(新しい)で構成され、内に向かって新しいものを導入するという意味になります。あくまで人間が中心です。

一方、今現在指数的な勢いで進化を遂げているAIはそのうち自律的に自己進化を始め人間の予測や理解を超える段階に達するとみられているそうです。未来学者レイ・カーツワイル氏によれば、AIがこの技術的特異点(シンギュラリティ)に到達するのは2045年ごろであり、この点を超えるとAIはAlien Intelligence(異質な知性)と化し、後には引き返せないそうです(Point of no return)。これが本当だとすると、あと20年、すぐ先です。

もうすぐ人類は自分達でIn-novationをおこし、自分たちで意思決定をすることができなくなってしまうのではと、密かに危惧しています。

経営イノベーション部が目指す方向は?
さて、KMCの経営イノベーション部ですが、引き続き「途上国の成長と社会の価値ある変革」を特にビジネス環境に焦点をあて取り組んでいくことを目指しています。具体的には、途上国の中小零細企業支援(5S、カイゼン、BDS等)、金融包摂、起業支援、バリューチェーン強化などとなります。部の名称が「開発」から「イノベーション」となることで、一つには、プロジェクト展開にあたってDXやAIなどの技術を取り込みながら事業を展開していく、ということと、もう一つには、現地の人々自身が行うInnovationを手伝いたい、という想いも込められています。AIやDXをできる限りどんどん業務に取り込み、私たちの頭で適切な活用方法を考えること、そして一方で、途上国・新興国での金融包摂、中小零細企業育成、起業家支援を行う際、対象地域に住む人々の暮らし、文化、考え方に寄り添いながら彼ら自身のin-novationを手助けしていくことができれば本望ではないかと考えています。

さはさりながら現実的なところは…?
とはいえ、日本の財政事情はますます逼迫しており、世間のODAへの風当たりも厳しくなっています。ODA予算は過去25年で半減し、形態も要請主義からオファー型協力、企業を含む様々なアクターが参加する共創型、そして国益を重視する援助に向かっています。

そのような中、私たちもこの20年間JICA業務を行う中で体に染みこんでしまった方法や考え方(JICAへの応札、業務指示書に沿った提案、PDMに沿った案件実施、途上国低所得者層の自立支援等々)を一旦横に置き、頭を柔軟にして各社員の経験や知見を活かしたサービス展開の糸口を模索することが急務となっています。KMCはGLIONにグループに入り、ますますその可能性も広がっています。

ただ幸か不幸か今現在、経営イノベーション部の皆さんは実施中の各JICA案件に心血を注いで取り組んでおり、よそ見をする余裕はなさそうです。それよりも、今実施中の案件で付加価値をつけた質の高いサービスを提供し、深掘りを指向しているところです。DXを活用した金融包摂、日本企業のアフリカ進出を促すバリューチェーン構築、因果関係AIを活用したプロジェクト成果の見える化など、いずれも現在実施中の案件で高い付加価値をつけています。ODAを一旦横に置き、ということが難しい場合には、これらODA実施中に蓄積されつつある知見や技術をどう将来的に組織としてODA以外の分野に昇華させていけるかが鍵かもしれません。

現在と未来をつなぐ橋
将来を案じて現在が疎かになるよりは、今、没頭できるプロジェクトがあれば、ここで技術と知見を磨き将来に備えるのがベストです。ただ、その時に私たちの中で、どの技術的要素が将来的にどのようなKMCのサービス展開に繋げられそうかを意識するのとしないのとで「個」を「組織」につなげる力、「現在」を「未来」につなげる力が大きく変わってきそうです。

私自身のこれまでの業務は業務指示書やPDMに忠実に沿うための努力に費やされてしまった感がありますが、昨今時間的余裕ができ、やっと社内や部の皆さんの素晴らしい取り組みについて学びつつあります。ですが、自分の業務に没頭し忙しい時には組織全体の将来のことを考える余裕は中々ありません。それこそ、AIを駆使して社内に蓄積された個別案件の知見・付加価値を将来的な組織の収益につなげることを試みては如何でしょうか?あくまで最終的な決断は私たち人間が行うということで。

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